香港からこんにちは
大荒れに荒れた先週末。
いやいや何が荒れたって、金融市場でもなく、大井競馬のレースでもなく、うちのオカンでもなく、、、
香港住民もれなく全員、強制引きこもりとなった、超大型台風「山竹」(Mangkhut。マンクット)。
香港の気象台に当たる香港天文台 (Hong Kong Observatory) が出す、暴風最高警告レベルのシグナル10が発令され、家の中では窓に近寄らぬようアナウンスされ、それでも猛威を振るい香港全土に爪痕を残していきました。
山の形が変わってしまうほど多数の木がなぎ倒され、道路は寸断。
これは香港島中心部、Mid-LevelsのKennedy Road。
あまりの風圧に鉄筋コンクリートの高層マンションも揺れ、地上100メートル級の自宅で船酔いする羽目になった、多くの香港住民
オフィスビルの窓ガラスは、強化ガラスにも関わらず風圧で割れ、
大事な書類よ、さようなら〜
何もしないよりはきっとマシ、と心に言い聞かせ、祈るような気持ちでマスキングテープを貼って窓を補強する親のその横で、ふざけるキッズ
まぁこうなるわな。 スパイダーマン
こちらは、友人宅のやる気ゼロのヘルパーさん作、窓補強。(台風が来るでしょ。 うちのヘルパーに予防策を敷いてと頼んだのよ、例えば、窓に大きなクロスを接着してテープしてとかね。 で彼女がやったのがこれ)
ちっとも予防策になってない上に、なんかとってもクリスチャン。 祈れば何とかなる的アプローチか
一方で、祈りも努力も虚しく場所によってはこうなる、ホラーの高層マンションベッドルーム。 窓枠ごと、バイバイウィンドウ
また、高層ビル建築現場のクレーンが折れて落下したり、冷房室外機が外れて宙に舞い、2人掛けソファがビル50階の高さを超えて飛んで行き、下を見れば海水に浸るハーバーフロントマンションのレセプションもあり。。。
大混乱の台風マンクットでしたが、香港での人的被害は、実はケガ人のみ。 それも香港全土でたったの391人という少なさ。
あっという間に元の生活に戻る街の回復の速さには、香港社会の段取りの良さと、明解なシステム作りの上手さが関係しているようです。
香港には、台風の暴風警告レベルを、簡単な数字で表示するシグナルがあります。 台風が近づくと香港天文台からシグナル警報が発令され、低い方から順に、1、3、8、9、10。
シグナル1は、ほぼナッシング。 3も全〜然余裕
ところが、これがシグナル8になると、全ての交通機関が止まり、証券取引所を始め、金融機関、企業、商店も商業活動停止と法で決められています。 この時点で、香港の路上からほぼ人が消えます。 (ただし、8が解除されたら2時間以内に会社へGoという、無情ルールもあり)
さらには、暴雨警報を表すレインストームシグナルも。 弱い方からイエロー、レッド、ブラックと色で表し、小さな子供でも外国人でも理解できる、大変合理的なガイドライン。
マンダリンの扇子も一枚吹っ飛んだ
中心付近の気圧905hPa、最大風速60m/s、最大瞬間風速80m/sの勢力で、、、などと言われて、はい了解〜と、実感として掴める人がどれくらいいるかと考えたら、この香港天文台の簡単な数字と色による、名付けて「ほなごちゃごちゃ言わんで警告したれシステム」はまことに賢く、これぞ香港スタイルと思うのです。
かくいうマンクットは、暴風暴雨共にレベルMAXの「シグナル10 & ブラックレインストーム」台風であると数日前から発表されていたわけで、誰でも理解できる明解なガイドラインがあるだけで、無駄な被害を未然に防げられる部分というのも、あるかもしれませんね。
ちなみにマンクットという名前そのものは、この超デラックス破壊力の台風からは想像もつかない、甘〜くジューシーなフルーツ、マンゴスチンのこと
台風のネーミングさえも連想の斜め上。 予想外の巨大台風を生み出す、マジギレ寸前の最近の地球
あぁそういえば遥か彼方の火星でも、こんな嵐が毎日あるんだったなぁと映画「The Martian」を思わぬところで思い出し、現在のグローバル社会から未来のユニバーサル社会へと、台風マンクットから始まるギャラクシーへの壮大な夢
そしてどこの惑星に移住しても、港人のこのスピリットはきっと永遠かなとも思うのです
We love to take care of our money.
JUN