11月生まれの方の誕生石はトパーズです。
トパーズは、古代ギリシャやローマ時代からジュエリーとして愛された歴史ある宝石です。
石言葉は「友情」「希望」「繁栄」「潔白」
トパーズという名前の由来は、かつて盛んに産出した紅海に浮かぶ島、トパゾス島(現在のセント・ジョンズ島)に因むという説や、「火」を意味する古代サンスクリット語「タパス(tapas)」からきたという説があります。
また昔、産出する辺りは年中霧が深く、懸命に探したことから、ギリシャ語で探すを意味する”topazios”という名前がつけられたとも言われています。
トパーズの和名は「黄玉(おうぎょく)」と呼ばれ、黄色い透明石の代表格のようなイメージがありますが、カラーバリエーションは豊富です。無色のほか、赤、橙、黄、青、藍と、ほとんどの色が産出されます。中でもピンクが希少で高価です。
(↑)ピンク・トパーズ・・・別名「ローズ・トパーズ」ともいわれる非常に美しい宝石です。ピンクトパーズのほとんどは、加熱処理で美しいピンクになりますが、その色合いは、高品質のピンクダイヤモンドや、輝きのある淡い色のルビーに似ています。
(↑)インペリアル・トパーズ・・・オレンジがかった黄色、オレンジ、赤みのあるオレンジを合わせてインペリアルトパーズといいます。シェリー酒のような色合いの輝きの強い宝石です。主産地ブラジルの皇帝ドン・ペドロ2世にちなんで名付けられました。
(↑)ブルー・トパーズ・・・天然のブルー・トパーズは極めて稀で、現在、市場に出ているブルー・トパーズの99%は、無色のトパーズを人工的に処理して濃い水色にしたものです。1970年代にその処理法が発見されて以来、人気の宝石になりました。
カラーレス・トパーズ・・・無色のトパーズは、ブリリアントカットに研磨すると、低品質のダイヤモンドと見間違えることがあります。キュービックジルコニアが普及するまでは、ダイヤモンドの代替品とされてきましたが、現在では使われることは少なくなりました。
高村光太郎「智恵子抄」のレモン哀歌、その中の「トパアズいろの香気が立つ」という一節を思い出しました。新鮮なレモンに象徴された瑞々しい生命をトパーズ色に重ねた、とても美しい表現だと思います。
トパーズ色の透明な輝きの向こう側には、素敵な物語があるような気がします。