40歳のバースデー・プレゼント

エルサイトウの素敵な日々宝飾エピソード

Sapphire Sautoir

9月8日から11月29日まで、上野公園内の東京国立博物館で「ブルガリ展」が開催されています。

アート オブ ブルガリ130年にわたるイタリアの美の至宝

かねてからとても興味を持っておりましたが、つい先日、行ってまいりました! 期待以上の出品内容で、おおいに感動させられました。

ブルガリの創始者、ギリシャ系イタリア人のソティリオス・ブルガリスが1884年(明治17年)にローマでシルバー細工の店をスタートさせてから、およそ130年間に制作されたジュエリーの数々が展示されております。

王侯貴族、マハラジャなど時の権力者から、新興ブルジョアやハリウッドのスターたちへと、ジュエリーを愛する人々の移り変わりと同時に、そのデザインの変化も見ることが出来て、個人としてもジュエラーとしても、大いに楽しむことが出来ました。

中でも目を引いたのが、写真のペンダントネックレス。このジュエリーは、かのエリザベス・テーラーが、夫、リチャード・バートンから40歳の誕生日にプレゼントされたものだそうです。

「この宝石こそ、君の美しさにふさわしい・・・」と言って贈ったのでしょうか。

65カラットもある大きなカボション・カットのサファイアを、小粒のダイヤモンドとサファイアを使ってアールデコ風な端正なデザインで取り囲んだこのペンダントは、この時代の傑作と言えるでしょう。(1969年制作)

サファイアは、その色が示すように冷静な判断力と知性を高め、精神を静める石と言われます。また、優美な美意識を育み、外的な災難から身を守る力があるとされています。

サファイアという宝石は、人生の半ばを迎えた最愛の女性に贈る最高の賛美とエールかもしれませんね。

う~ん・・・・・その美しさに思わず唸ってしまい、しばしその場を離れることが出来ませんでした。

ジュエリーは女性の人生・・・生き方に寄り添うものだと思います。

ご自分の宝石箱をもう一度開けてみてください。一つ一つのジュエリーには、それぞれに素敵な思い出が詰まっているはずです。

エリザベス・テーラーのジュエリー・コレクションは世界的にも有名ですが、その中からエピソードをひとつご紹介させていただきます。

晩年になって彼女は、すばらしい大粒のエメラルド・リングを「エイズ撲滅基金」に寄付しました。「これは多分、リチャードが初めて私に贈ってくれたジュエリーよ!」穏やかな微笑みを浮かべて、懐かしそうに言ったとか・・・・・。

そして、チャリティ・オークションでその指輪を購入したアメリカ人夫妻に、「Wear it with love !」(愛を込めて使ってくださいね!)という手書きのメッセージを添えた手紙を送りました。(会場にはその手紙も陳列してありました。)

エリザベス・テーラーのそんな自筆の手紙は、なんだか、そのすばらしいエメラルドリングと同じくらいの価値があるのでは、と思ってしまいました。ジュエリーには本当に様々な思い出や歴史があるのですね。

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