聞くことはコミュニケーションの第一歩
聞くことは、社会と自分をつなぐ大切なコミュニケーションの第一歩です。家族との会話、お友達とのおしゃべり、会議や、スポーツ、カラオケなど、耳から得られる情報はとても大切なものです。
加齢による聴力低下は誰にでも起こりうる現象です。聴力の低下は、自分ではなかなか気づかないもの。まわりが「あの人、最近、聞きかえすことが多くなったね」と心配しても、本人は「まだまだ大丈夫」と思っていることが多くあります。
また、年齢に関係なく、病気やケガなどの影響で聴力の低下も起こることがあります。もし、聞こえに不安があるようでしたら、まずご自分の耳が、今、どれくらい聞こえているかをチェックしてみましょう。
自己チェック どれくらい聞こえているのかな?
ひとつでも「はい」が |
●正常 とくに問題はありません。 今のところ補聴器は必要ありません。 |
|
ひとつでも「はい」が |
●軽度難聴 二度聞き返したり、聞き間違えることがある。 補聴器の使用を悩むレベルですが、聞き間違いや生返事による誤解、トラブル、仕事上の支障などを防ぐためには、積極的にご使用を考えてみてはいかがでしょうか。 補聴器を上手に使いこなすには、こちらのレベルからのご使用をお勧めいたします。 |
|
ひとつでも「はい」が |
●中度難聴 大きめの声でなければ聞き取れない。 聞こえが気になって人と話をするのが億劫になっていませんか。それにコミュニケーションが上手くいかないと、ご家族の方も疲れてしまうようになります。 あなたの生活に補聴器は必要ですね。ぜひご相談ください。 |
|
ひとつでも「はい」が |
●高度難聴 耳元での大声でなければ聞き取れない。 あなたの日常生活での聞こえ具合はかなり困難ではないでしょうか。いろいろな方とのコミュニケーションも疎遠になってしまいがちですね。 ぜひ補聴器の装用をお考えください。 |
|
●重度難聴 耳元での大声も聞き取れないことがある。 会話はもちろん、目の前の電話のベルや後方から来る自動車のクラクションが聞こえないケースもあるのではないでしょうか。危険な状態が起こりうるかもしれませんので、補聴器は必需品です。 |
いかがでしょう?ご自分では「NO」と思っていても、ご家族から見れば「YES」という項目があったのではないでしょうか。聴力の低下は意外と自覚しにくいものです。自分ではまだまだという意識が働きがちです。ご家族の意見にもぜひ耳を傾けてくださいね。
- このテストはあくまでも目安です。少しでも心配なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
- 補聴器の装用によって、難聴が進行することはありません。
耳のしくみ
私たちが「耳」と呼んでいるのは「耳介」のことで、耳の機能のほんの一部分です。
耳は、
外耳(がいじ)
中耳(ちゅうじ)
内耳(ないじ)
と、大きく3つの部分に分けられます。
経路 | 部位 | 役割 / 詳細 | |
---|---|---|---|
伝音器 | 外耳 | 耳介 (じかい) |
音を集める 外から見えるいわゆる「耳」の部分です。耳の形は集音効果と音のする方向を特定するのに適した形状をしています。 |
外耳 | 外耳道 (がいじどう) |
音を通す 耳垢のたまるいわゆる「耳の穴」の部分です。音の通り道になっています。 |
|
中耳 | 鼓膜 (こまく) |
音を受ける 外耳道の奥にある薄い膜です。タイコの革のように張っていて、音が伝わってくると振動します。鼓膜に穴が開いていたり、欠落した状態は聴こえに影響してきます。 |
|
中耳 | 耳小骨 (じしょうこつ) |
音を伝える ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨と呼ばれる3つの小さな骨が、振動を内耳に伝えます。 |
|
感音器 | 内耳 | 蝸牛 (かぎゅう) |
音を識別する かたつむりの殻のような形で、中はリンパと呼ばれる液体で満たされています。また、中には有毛細胞(ゆうもうさいぼう)と呼ばれる、細かい毛のようなものが生えた細胞があります。この有毛細胞がきこえに重要な役割を果たしています。 |
内耳 | 聴神経 (ちょうしんけい) |
音を送る 蝸牛で識別した音を脳へ伝える為の神経です。 |
|
脳 | 脳 | 脳 (のう) |
音を判断する 音の信号を脳に伝えます。最終的に音を判断するのは耳ではなく脳になります。 |
聞こえのしくみ
- 音が外耳道を通って、鼓膜に当たります。
- 鼓膜はたいこの革のように張っていて音が伝わってくると振動します。
- 振動が耳小骨を伝わって蝸牛に届きます。
- 蝸牛の中のリンパ液に振動が伝わります。リンパの振動によって蝸牛の中の有毛細胞も動きます。有毛細胞が動くと、小さな電気信号が発生し、その信号が聴神経に伝わります。
- 聴神経から脳に伝えられます。
難聴とは?
入ってきた音が脳に到達するまでの間に、その流れをさえぎるようなトラブルが起きたとき「聞こえない」という現象が起き、これを『難聴』と呼びます。
- 伝音性難聴
中耳炎や鼓膜の損傷などによる、外耳から中耳にかけての障害が原因です。医学的に治療が可能とされています。一般的に補聴器は良く適合します。 - 感音性難聴
内耳以降の感音器の障害が原因です。加齢とともに聞こえにくくなったり、また薬物や長時間騒音下にいることによる聴覚障害です。一般的に医学的な治療は困難とされています。難聴の程度は軽度から全聾まで広範囲に渡ります。耳鳴や音の大小の感覚異常、言葉の意味の分析能力低下などが併発し、補聴器に馴れるのに多少の訓練が必要になります。 - 混合性難聴
感音声と伝音声の両方の症状があります。中耳炎が悪化して内耳にまで及んだ難聴が代表例です。
医師の診断
「聞こえにくくなってきた」と感じたら、耳鼻科医を受診されることをお勧めします。難聴の原因によっては、治療可能な場合もございますので自己診断は禁物です。
治療の必要が無い場合には、補聴器のご使用をぜひご検討ください。(エルサイトウでは、補聴器相談医の資格を持つ耳鼻科医と連携を取っております。)