香港からこんにちは
アジアのニューヨーク、ともよく例えられる多民族国際都市、香港。
香港の面積は、関東で言えば東京都の半分、関西で言えば淡路島1個半の大きさ。 そこに、人口約745万人 (2018年4月現在) の人口が密集しています。
よくまぁ淡路島1個半にそれだけの人が住んでいるものだと改めて感心しますが、街を歩くとそれはすぐに気付かされます
多くの外国人が住む街、香港。
それぞれが、時に団結、融合しながら、時に化学反応を起こしながら、伝統的香港文化とはまた違った、独自のグローバルな世界を作りあげています。
香港の外国人人口で最も多いのが、フィリピン人。 アマさんと呼ばれる住み込みの家政婦さん達がその多くを占めています。
第2位にインドネシア人、そして英国、インド、パキスタン、アメリカ、オーストラリアと続きます。
伝統的に家政婦を雇う家庭が殆どの香港では、フィリピン人以外にも、インドネシア人も真面目でよく働く家政婦人材として、重宝がられています。
そんなアマさん達、雇い主のアシスタントとして家庭を切り盛りし、子供達の躾にすらも従事する (方針を決め指示するのはもちろん雇い主)、それが彼らの仕事。
そう、家事全般を任されているのです。
朝は早く起き家族の朝食を用意、子供達のお弁当作り、学校の送り迎え、掃除洗濯、犬の散歩、食料雑貨品の買い物、子供達のプレイデイトのアレンジ、子供達の習い事送り迎え、夕食の準備、その他家族全員分のアイロンかけや家の中の簡単な修理、高齢者宅の場合はお世話全般、などなど。
ボス(雇い主) の指示とあらば、基本的に何でもこなすスーパーウーマン、アマさん
香港では子供達が小さいうちは、家族のホリデーにもアマさんを一緒に連れて行く家庭も多く(もちろんアマさんにとってはホリデーではなく仕事で)、それくらい香港キッズ達は、普段はママやパパよりアマさんと過ごす時間の方が長いというのは、ごく当たり前。
それでも子供達が、家庭内で誰の言う事が絶対なのかという上下関係を、いつの間にか明確に理解しているのは、やはりアマさんの優れた働きによるものでしょう
そんなアマさん達、雇い主に何を言われても言い返さず、疲れていても「イェス、マアム」と朝から晩まで体力気力仕事をしていれば、そりゃストレスだって溜まるはず。 どこかで発散したくなるのは、世の常人の常。
それが彼女達にとってのハレの日、日曜日
彼女達の唯一のデイオフ、日曜日。
TGIF (Thank God It’s Friday!) ならぬ、TGIS (Thank God It’s Sunday!) なんですね
今ではその規模の大きさ、香港人以上のエネルギッシュさから香港名物とすらなっている、日曜日の、名付けて「アマさん達の女子会〜」
とは言っても、彼らは住み込み契約で香港に在住しているので、自分の住む家 (雇い主の家) ではもちろん集まれません。
そこで、香港中心部の屋外に繰り出すわけです。 そう、路上、歩道でピクニックしちゃうわけです。
その数、その規模、彼女達の底抜けに明るいパワーには圧倒されます
彼女達にとっては一週間で唯一のお休み、日曜日
雇い主の顔を見ないで済む、最高に嬉しい日曜日
雇い主の子供達に悪態つかれずに済む、最高に平和な日曜日
日曜日って最高となるわけですね。
アマさん同士、週一で報告し合う大ゴシップ大会 (って、あくまで想像ですが。でも女子が集まって政治の話?な訳がなく、ぜったい彼女達、雇い主のゴシップ暴露大会してるハズ) という、それはそれは、アマさん達にとって楽しい日曜日なのです
段ボールをシート代わりに、手作りのお弁当を持ち寄って、食べて喋って笑ってお昼寝して、彼女達は日曜日を一日中ここで過ごします。
香港島中心部、金融機関や高級ホテル、高級宝飾ブティックが集まるセントラルの Chater Road では、アマさん女子会のために、なんと数年前から日曜日だけ車両通行止めに。 アマさんパワーがそうさせたのか、香港政府の粋な計らいか
とにかく、この日だけは彼女達は完全休日。 母国の家族とビデオ電話をしたり、音楽に合わせて踊ったり歌ったり、ファッションショーをしたりポージングの練習 (ナゼ?) をしたり。。。
思い思いの好きなことをして、同じアマさんコミュニティの友人、仲間達と情報交換をしながら休日を楽しみます。
そんなメリハリがまた、明日から一週間のエネルギーを作り出すんですね。
高級ブティックショウケースの中で極上の輝きを放つ10キャラットダイヤモンドリング。 と、その前の路上ではアマさん達の女子会。
こんなコンビネーションも、香港ならでは。 そしてそんな賑やかな日曜日も、ポップでダイナミックな香港スタイルです
JUN